フッ素樹脂厚膜焼付ライニング加工
厚膜で耐食性・耐久性に優れたライニング!
耐薬品性 | 強酸、強アルカリ性の薬液や腐食性ガスから基材を守ります。 |
---|---|
純水性 | 金属イオン溶出が極めて少なく、金属接触やアウトガス、コンタミを嫌う各種機器に。 |
非粘着性 | 付着防止、防汚対策に最適です。付着しても簡単に除去が可能です。 |
撥水性、洗浄性 | 優れた撥水、撥油性により薬液やパーティクルの残留を防止します。 |
一体加工 | 一体で継ぎ目がない為、攪拌羽や複雑な形状でも安心して使用が可能です。 |
密着性 | 基材と溶融焼付けにより強力に密着しているので、負圧や真空中でもご使用可能です。 |
ライニング加工 厚膜グレード表
◎優秀 ○優 △良
非粘着 | 低摩擦 | 耐摩耗 | 耐薬品 | 最大膜厚 | 導電性 | 材質 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TC-236 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | 500μm | - | PFA |
TC-247B | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | 1200μm | - | PFA |
TC-237S | ◎ | ◎ | ○ | ◎◎ | 800μm | - | PFA |
TC-237P | ◎◎ | ◎ | ○ | ◎ | 1200μm | - | PFA |
TC-237E | ◎ | ○ | ○ | ◎ | 800μm | ○ | PFA |
TC-336 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | 800μm | - | FEP |
TC-427 | ○ | △ | ◎ | ○ | 1500μm | - | ETFE |
TC-426E | ○ | △ | ◎ | ○ | 500μm | ○ | ETFE |
TC-527 | ○ | △ | ◎ | ○ | 1500μm | - | ECTFE |
ライニング加工 厚膜(ピンホールレス)の重要性
ピンホールレスの厚い皮膜です。
ピンホールの存在するフッ素樹脂コーティングによるライニング加工をご使用の場合、耐食性・金属イオンの溶出・高純度の維持などの用途では十分でないと言えるので、ピンホールレスの皮膜が重要になります。
ピンホールを無くすには、フッ素樹脂の膜厚を厚くしてピンホールレスの皮膜を成膜しなければなりません。
ライニング加工 耐薬品性一覧
◎優秀 ○優
フッ素樹脂の種類 | PFA | FEP | ETFE | ECTFE | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
50℃ | 100℃ | 50℃ | 100℃ | 50℃ | 100℃ | 50℃ | 100℃ | |
塩酸(35%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
硫酸(90%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
硝酸(60%) | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
次亜塩素酸(50%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
クロム酸(50%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
アンモニア水(28%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
キシレン(100%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
苛性ソーダ(50%) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
フッ素樹脂焼付ライニング加工のプロセス
【1】基材受け入れ
お客様から加工依頼を頂いた基材が弊社工場に納入されます。
数量、外観、加工条件を確認します。
特に厚膜ライニング加工は、基材環境を隈なく確認する必要があります。
角部のR取り、溶接巣穴やスパッタ、ヒート盛り、アンダーカットが発生していないか確認します。
【2】脱脂
受け入れした基材に付着している油脂、古膜などの不純物を取り除くために溶剤洗浄、空焼きを行います。
【3】下地処理
脱脂処理後、残った油脂のカスや古膜を完全に除去するためにブラスト処理を行います。ブラスト処理を行うことで、不純物の除去だけでなく、基材とフッ素樹脂の密着性の向上につながります。
※焼成炉最大間口2700/奥行5000に合わせたブラスト設備も完備しておりますので大型基材にも対応しています。
ブラスト室
【4】段取り
効率よく炉の熱を伝えるために炉内の配置も重要です。
熱風循環炉ですので、絶えず炉内温度はキープされていますが、設置台座や工程治具、基材の肉厚部の熱伝達を考慮し、基材の段取りを行います。
品物段取り風景
【5】プライマー塗装・一次焼成
プライマーとは、下塗り塗装のことで本来非粘着性の高いフッ素樹脂を基材に定着させる接着剤の役割をします。塗りムラの無いよう塗装範囲全体に塗布していきます。
塗布が完了したら直ちに乾燥、焼成を行います。さらに密着性を向上させるためには基材の温度が重要になります。焼成温度は最大400℃近くに達します。
プライマー塗装風景
【6】中間、TOP塗装・二次焼成
プライマーの焼成終了後、静電粉体塗装で目標膜厚まで、塗装⇒焼成を繰り返します。
中間塗装を行う場合、基材の温度管理が重要です。基材が高温のまま塗装したり、低温になり過ぎると、正常な塗装ができず不良の原因になります。形状物を塗装する場合、粉体塗装が一部に集中的についてしまったり、脱落を起こさないように最善の注意を払い施工します。
中間検査を行い、膜厚の誤差を把握し、より均一性の高い膜に仕上げていきます。
【7】検査・完成
全行程終了し、外観・膜厚・ピンホール検査を行います。
検査結果を踏まえコーティングが良好な事を確認し完成です。
完成品
※検査風景
外観検査
膜厚検査
ピンホール検査
その他ライニング加工(シートライニング/回転成形ライニング/静電粉体塗装)
シートライニング
PTFE又はPFAシートを使用して接着剤で貼り付けます。
回転成形ライニング
各種フッ素樹脂パウダーを投入して炉内で回転し焼き付けます。
静電粉体塗装
粉体塗装を繰り返し厚膜化します。
※ライニング加工とは、物体の腐食防止や耐摩耗性の向上のため、表面処理を行い保護する加工方法です。
サーフ工業のライニング加工は、厚膜で耐食性・耐久性に優れたフッ素樹脂厚膜焼付ライニング加工をはじめ、シートライニング、回転成形ライニング、静電粉体塗装など、様々な対応が可能です。
ライニング加工製品
【業界初】接ガス部フッ素樹脂ライニング施工・ルーツ式ドライ真空ポンプ
接ガス部にフッ素樹脂ライニングを施工している製品です。フッ素樹脂ライニング厚さは300μm以上で、ハロゲン系ガスや強酸性ガスに対する耐久性があります。